最近のあらすじ
悪の組織、ティリアンを脱出した三澄慶子は、その所属していた秘密組織 サイト7の所長の命令により、地球から遠く離れた植民惑星のパトロール隊 ユニポリスの配属となった。それは慶子をティリアンから遠ざけ彼女の身を守るためでもあった。
新天地である憧れのユニポリスの所属となった慶子だが、そこで見たものは廃墟となった哀れな惑星であった。
かつては資源開発、植民事業で大いににぎわうかに見えた植民惑星であったが、いつしかそこは地球の統制権の及ばない地域を数多く生み出し、宇宙海賊ハンターを生み出すにいたった。彼らは地球上ですでに禁じられている「遺伝子操作」による新生物製造や人体改造を好きなだけ行い、巨大な力を身につけたのであった。
その力ゆえに、植民惑星は一転無法地帯と化し 地球から遠く離れているがゆえに敏速なる救助もままならず、そこに住んでいた多くの人々を大混乱に陥れ数多くの犠牲者を出してしまう。
その後、一部生存者の救出作業が行わたものの、捨て去られた惑星同然となってしまう。ユニポリスの役割は 残存した生存者がいた場合の救出および、パトロールである。
しかしほぼ地球と同じ大きさをほこる植民惑星である。その多くは地球連邦政府はもちろん、ユニポリスですら把握していないのが実情であった。一応 空気と水が存在するその惑星で、ハンターは着実にその勢力を拡大していったことを把握する術は無かったのだ。
生命反応を検知した慶子のフローターは廃墟の中を探索し、ついに生存者を見つける。
その生命反応のした地下深くでは想像を絶する悲惨な光景が繰り広げられていた。うら若き少女が監禁され陵辱の限りを尽くされていたのだ。おそらく、生存していた少女を監禁しハンターのおもちゃにされていたに違いない。そう確信した慶子はすぐに救出を試みる。しかし、そこで慶子は予期せぬ反撃を 少女から食らうことになる。
「なぜ……!?」
薄れ行く意識の中で慶子はつぶやくも時すでに遅し。慶子はまんまと宇宙海賊ハンターの手中にと落ちていった。
その少女の正体はまだ明らかでは無い。ただ推測できるのは、かりに救出されたとしても、どのみち不幸な運命が待っているということである。だから、彼女はすぐにそこから逃げ出したに違いない。
ハンターに捕まった慶子はフローターごと奪われ、移送されたようだ。意識を失った後の足取りは慶子自身にも分からない。窓も無い、おそらくは地下深くの要塞のような場所で慶子は監禁されることとなる。
そして想像を絶する拷問地獄を味わうこととなる慶子。ハンターは 拷問のネタとしてフローターに搭載された暗号通信装置のパスワードを欲しがっていた。彼らが本当にそれを欲しているのか、それとも単に拷問を楽しむためにそれを問いただすのかは定かではない。ただ、いずれにしても彼女はそのパスワードを教えるわけには行かなかった。マスターパスワードたるその情報を教えると、敵に情報が筒抜けになる恐れがあるからだ。かれらがその暗号通信装置の存在自体を知っている時点ですでに、単なる荒くれモノの集団ではなく、なんらかの知的水準に達した手ごわい集団であることが明らかとなる。
そもそもハンターが行う人体改造は、頭脳も含まれる。彼らはIQ、思考力、演算力、記憶力をいかようにでもコントロールでき、恐るべき知能を身に付けたものがいたとしても何ら不思議ではない。
連日に及ぶ激しい拷問、そしてその合間に強姦され続け、慶子は日に日に衰弱していった。
今日も慶子の悲鳴は冷たい空間を伝わって その地下施設に響き渡る……。
用語解説
サイト7……諜報組織として政府の影の機能をつかさどる実動部隊。遺伝子操作を行う数多くの非合法地下組織の破壊、暗殺を主な任務とする。
植民惑星……環境破壊、治安悪化、人口爆発、数々の問題を抱える地球は、別に住める惑星を探索する計画を大規模に行う必要に迫られていた。そして、ようやく生存条件に準じる惑星が発見され、先発隊として数多くの人間が一時住み付き、大気改良、開発作業に従事する。しかし、住み着いた人間のなかに、地下組織の人間が紛れ込み、開発計画は頓挫。いまは廃墟となる。
宇宙海賊ハンター……植民惑星計画を破綻させた謎の集団。地球にて禁止された遺伝子操作を行い自らを超人化、またさまざまなクリーチャーを生み出し急速に勢力を拡大していく。
カロン……ハンターにより生み出されたクリーチャー。タコの遺伝子を改造したものと推測される。大小さまざまなカロンが存在する模様。
秘密組織ティリアン……地球にて 遺伝子操作による不法活動を行っている地下組織。宇宙海賊ハンターとの関係は不明。
遺伝子操作……科学技術、遺伝子工学の発達によりバラ色の未来がついに到来したと喜んだのもつかの間であった。いつしか人類は自分の好きなスペックの身長、体重、知能指数、顔形から性格までオーダーメイドで生み出す世の中が到来した。人体改造はエスカレートし、制御不能となっていく。あるものは人体改造に飽き足らずさまざまなクリーチャーも作り出し生命倫理は破綻。国家権力の統制も及ばなくなり治安が大幅に悪化。国際的な協定により遺伝子操作は一切禁止された。しかし、時すでに遅し、数多くの地下組織がひそかに遺伝子操作を行い力を温存している。